とある帝国があった。
その国は皇帝を中心とした中央集権国家であった。
皇帝は絶大な権力を誇り、富と尊敬を集め、皇帝と側近の優秀な官僚のもと、その国はおおいに栄えていた。
そんな中、その国にカリスマ的な宰相が現れた。彼は列島改造という革新的な経済政策が行った。
列島改造という新たなムーブメントの中、不動産価格が高騰し、期を合わせて株価も急騰し始めた。人民は多いに富み栄えることとなった。
いつしか土地と株は永遠に上昇するという神話が生まれた。
人民は我も我もと先を争い株や不動産を買いあさり、それにより資産価格はさらに上昇し、次第に巨大な資産バブルを形成していった。
この時、皇帝も官僚も人民も永遠にこの世の春が続くと信じて疑わなかった。・・・
やがて、この天をも恐れぬ資産価格の上昇はもろくも崩壊し、帝国に空前のバブル崩壊が襲った。
毎日のように下落する不動産価格と株式市場に人民は恐怖し、頼みの中央銀行も有効な手立てを打つことは出来なかった。
そんな中、ついに大手銀行や証券会社が倒産する事態となり、帝国は長く暗いデフレ不況に突入していくこととなる。・・・
後の世に語り継がれることとなる。いわゆる「失われた30年」の始まりであった。
皇帝の権威は地に落ち、国は乱れ、各地で反乱が頻発するようになった。
そんな中、北方の有力君主であった「暴卓」とその義理の息子「呂布 字通選」が都に上ってきた。
「暴卓」は強欲な男で人民に「毎月分配投資信託」という偽りの高配当を餌にする高手数料の投資信託を売りまくって巨額の利益を得り、息子の「呂布 字通選」はさらに複雑な「通貨選択外貨建て毎月分配投資信託」「愛称〇〇」などというひどい商品を売り利益をむさぼった。
帝国人民は金融リテラシーがとても低く、「毎月分配投資信託」のからくりを見抜くことができなかったのであった。
偽りの金融商品により人民の資産はさらに目減りし貧困に苦しむものが増えていくことになった。
「暴卓」は投信売買で得た資金で朝廷を牛耳り、帝国の丞相になった。
そして、圧政により帝国人民の金融リテラシーは地に落ちていった。